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英夫日記
■12月29日(土)
 bbsの方に取り急ぎご報告しました通り、無事にお子様生まれて来ることができました。
 21日(金)の15時頃に恭子さんから「破水しましたー」というのんきな口調の連絡が入り、急遽会社を早退し荷造りして大宮のサンバハウスへ向かい、21時頃到着。翌22日夜中の0時を過ぎた頃からだんだん陣痛が始まってきて、2時頃から本格化。あれよあれよという間に子宮口が広がって、ピッコロ大魔王の産卵のようにイキムこと数回。4時48分に無事赤ちゃんが出てきました。2776グラム。恭子さんの素直なフィジカルという才能がいかんなく発揮された超安産でした。母乳もしたたるほど良く出ていますし、赤ちゃんも良く飲みます。ていうか基本的におっぱい欲しいとき以外は泣きません。3日目くらいに黄疸の心配があって病院に行った以外は経過も順調。体重も増えてきています。
 冬休みが終わったら大阪へ戻って遠距離パパになってしまうので、2週間でお父さんの印象を植え付ける為にいろいろ(おしめ、おふろ、あやす、おひるね)頑張ってます。あとおっぱいが出れば全部できるのにって感じです。あ、でも夜は起きれない。
 昨日お七夜(つい初七日と言ってしまう)だったので墨をすって名前をお習字いたしました。命名「知宏」(ともひろ)です。ひねりがなくてすみません。知は原田知世から思いついたのですが、岩波国語辞典によれば(1)心に感じとる。とのことで、是非センスの豊かな人になって欲しいという親の願いを込めちゃいました。知の下に何をつけるかは悩んだのですが、天性の旅人関口知宏がいい人なので「まあ、悪いことにはならないだろう」と宏をいただきました。姓名判断は
・総運21◎ 能力でのし上がる頭領運。社会的成功は得やすいが、家庭に収まりづらい。
・人運11◎ リーダーシップを発揮し良い結果を得る。意志強く才能に恵まれる。
・外運10× 努力が報われない。特殊な犯罪に関係する傾向。
・伏運26× あまりよい成長運ではありません。
・地運15◎ 上昇、調和、幸福運。
・天運 6○ 思いやりがあり、逆境にも強い家柄。
・陰陽 ◎ 理想的な配列です
とのことで、「特殊な犯罪に関係する傾向」というのが何か魅力的です。国家反逆罪か?あと、今年流行った脳内メーカーではこのような感じです。これは恭子さんの性格をそのまま引き継いだ感じだ。
 というわけで応援、心配いろいろありがとうございました。これからもよろしくお願いいたします。最後はオシム語録風に。
「右のおっぱいを飲んだからといって、左のおっぱいも飲むとは限らない」
■12月8日(土)
 恭子さんは実家に帰っています。予定日まであと2週間とちょっと。ちゃくちゃくとお腹も膨れているようです。こっちは一人暮らしでさみしいので昨日は人を呼んで鍋。あと、抑止力(妻)がなくなって節操がなくなるのでプレステ2(=ウイニングイレブン)を封印。
 ボーナス記念でiMac購入。超薄キーボードとてもいいです。なぜかFireWireで前のPowerBookG4を認識せず。いろいろな設定をやり直す。G4は恭子さんの実家に持って行き、カメラを繋げて赤ちゃん中継をする算段。
 先々週末は恭子さんの里帰りに付き添って関東へ帰り、併せて大学の恩師のお墓参り。先週末は本社出張で東京へ行き、併せてロボコンのOBOG会。ロボコン関係者の(多分異常なる)結婚率の低さはなんなのか。3次会で先輩(独身、女性)の家へおじゃましたのだが、どことなく親戚のおばさんの家のような雰囲気の部屋で、「ぜんぜんドキドキしませんね」と言ってしまう。この週末は久しぶりの関西。上司からいらなくなったベビーカーを譲り受ける。お礼に差し上げたイーハで売っている和歌山のみかんを、ベビーカーの主だったユウナちゃんはおいしそうに食べてくれた。明日はチェルフィッチュ「三月の5日間」大阪公演をひとり見に行く。来週末はまた東京出張を入れて関東帰り。再来週は22日に関東に帰り、予定日直前なのでそのまま冬休みまで休暇を繋げます。無事に生まれますように。
「music&me」原田知世:こんな40才がいてくれると歳をとることに安心できる。歌詞カードの鈴木慶一さんとの写真がとても好き。1/13の梅田タワーレコードインストアライブのチケットを貰うも、たぶん行けない。誰かファンの人、行きませんか?
■11月14日(水)
 妻のお腹が鉄人28号のようになっている。
 こないだ久しぶりにスーツを着たら、お腹が過激なまでにきつくなっていて、うわー、太ってるわ。と思ったのだけど(そして「運動しよう」ではなく「スーツを新調しよう」と思ったのだけど)、今朝、いつものベルトの穴がいつのまにか1個ずれているのに気付き、久しぶりに体重計に乗ってみたら、想定していたより5kgも重くてものすごくびっくりした。自分は食べても太らない体質だと思っていたので、その体質の急激な変化に、もうどうしていいか分からなくてしばし放心する。「ねえ、この体重計合ってる?」と、とりあえず妻に聞いてみる。そういえば2つ上の兄は先日ぎっくり腰になったそうだ。自分も腰が痛むことが多いので、遠からぬ未来にそうなる気もする。なんかしよう。

 昨日はイーハで市議会議員の桂むつこさんとささやかな勉強会。先々週は龍谷大学で国際文化学を教えている清水耕介准教授のグローバリゼーションについてのささやかな講演。刺激的な諸々。先週末はねじまきのすけさんと相方キノコちゃんをうちに招きお食事会。叔父的メンタルで中村一義やらシュワンクマイエルやら高橋源一郎やらチェルフィッチュやらを見せまくる。その晩の出来事をまきのすけさんがブログでにしてくれています。なにか言葉と言葉がぐにゃぐにゃと繋がっていきながら、全体として大きなひとつの流れになる様が、恭子さんの最近の画風と通じるものがあって、大変な天才を感じる。お開き後1時間くらいで書かれているのもすごい。そしてこの言葉たちがあの場にいた4人(お腹の子も入れて5人とまきのすけさんは勘定してくれていますが)のために捧げられている贅沢さに、なんだか申し訳なくも喜びを感じるのです。

 レッズがアジアチャンピオンに。今年は盤石の強さってこともなく、むしろ何故点を取られないのか不思議なくらい穴だらけなのだけど、ただ、圧倒的な勝負強さだけで勝っている気がする。別に試合巧者ってわけでもない。とにかく他のJのチームがいいサッカー:勝負=5:5くらいでやっているのに対して、今年のレッズは0:10で突っ走ったのだ。多分来年はボロボロだろう。が、ともかく歴史に名は刻んだ。おめでとう。そしてやはりあのサポーターはまぎれもなくアジアチャンピオンだ。永井の目付きは誰かに似ていると思ったらねじまきのすけさんだった。

 車来ました。ぼちぼちと慣れていきます(車に慣れるというのは、ある種のセンサーを「鈍らせる」ことであると思います)。それにしてもガソリン高いな。
・クリア済:自宅の駐車場出し入れ。左折。右折。セルフのガソリンスタンド。国道。
・クリア未:夜。雨。車線変更。高速道路。左右に車が止まっているときの駐車。
■11月1日(木)
恭子さんの二人展の様子が、イーハのお隣の「ケン太鍼灸整骨院」さんのブログにアップされていましたのでリンクします。大旨こんな感じの作品が並んでいましたのです。素敵でしょ?
■10月29日(月)
恭子さんとねじまきのすけさんの二人展は昨日を持ちまして無事に閉展いたしました。わざわざ見に来ていただいた皆様、遠くから応援していただいた皆様、ほんとうにありがとうございました。展示の様子はまた後日落ち着いたらアップしたいと思いますが、とりあえず一応大成功だった(のではないかと思う)旨、ご報告させていただきます。恭子さんは開放感のために今日は風邪気味。

前回の日記に書いたとおり車を買ってしまいました。来月3日に納車。愛知に引っ越すまでに運転に慣れなければいけません。初心者マークを買わなきゃな。車を買ったら金銭感覚が崩壊して、今、一眼レフのデジタルカメラとiMacが欲しい。

「悪人正機」 吉本隆明、糸井重里
「パーキー・パットの日々」 フィリップ・K・ディック
「サッド・ヴァケイション」 青山真治
「ゆれる」 西川美和

二人展の相方ねじまきのすけさんのブログ、というか詩集。まきのすけさんは写真も撮りますが、詩も書きます。独特な世界感はシュワンクマイエルを彷彿とさせるので、相馬君から借りっ放しのシュワンクマイエルの短編集を又貸ししてしまいました。
■10月3日(水)
中国から帰っています。とりあえず今年はもう行きません(!。と上司には言ってあります)。
恭子さんの個展の詳細が決まりました。

ねじまきのすけ/上山恭子 二人展
「散歩道 赤いコーンと黒いペン」
とき 10月10日(水)〜10月28日(日)
場所 クラフトカフェ イーハ(阪急茨木市駅徒歩5分 地図
   (月曜定休 開11:00 閉6:30)

上のバナーから専用 お知らせページ (私つくりました)に行けます。詳しくはそちらから。
期間中ワークショップイベントもあるそうです(10月21日 14:00〜)。

今、恭子さんは個展のためにいろいろ作品を作り溜めています。私が言っても手前味噌にしかなりませんが、表現としてユニークでありかつ普遍性を持っていて、恭子さんを知っているひとでも知らないひとでもだいぶ楽しめるところにたどり着いているのではと思います。(お知らせページにほんの一部ですがダイジェストを載せてます。)
ねじまきのすけさんは個人的には面識がないのですが、一見ポップな裏に闇(病み)が滲み出る作風が恭子さんと通低していて、まあ個展をやるのは初めての駆け出しアーティストの二人展ですが、見応えあるものになると(なっているといいなあと)思います。恭子さんの7年半におよぶ関西生活の総決算を是非見に来てください。

それにしても、10月個展。12月出産。3月引っ越しと、我ながら結構な予定になっている。そこに加えて愛知行きに備えて車を購入しようとしている10年来のペーパードライバーがここにいる。まあ、なんとでもなるだろう。明日の夜は関東に移動し、今週末は埼玉のサンバハウスでパパママクラスを受講する。

映画を見てないのに買った「ショートバス」のサントラは思いのほか良い。チープなんだけどリッチな感じ、ってなんだか分かんないね。映画は結局見てない。今年は映画をほとんど見ていない気がする。「パンズ・ラビリンス」は見ておきたいなあ。
■9月1日(土)
そういえばここでちゃんと書いていなかったのですが、妊娠しています(恭子さんが)。いま6、7ヶ月くらい。12月に出産予定です。予定日は24日です。男の子だそうです。夢は教祖だそうです。基本的には埼玉で里帰り出産するつもりで、このまま健康、順調であれば、さいたま市にある「サンバハウス」という冗談みたいな名前の(助産師さんが半裸で腰降って踊っているわけではありません)助産院で産みます。名前は冗談みたいですが、サンバハウスは畑に囲まれて静かで適度にとっちらかっててとても落ち着くいいところです。
で、恭子さんは今週検査で埼玉に帰っており、ひとりお留守番。梅田をぶらぶらして中国で読む用の本(司馬遼太郎「中国・江南のみち」、古井由吉「木犀の日」)とiPod増強用のCD(「ショートバス」サントラ、安藤裕子「Merry Andrew」)を買う。靴底が減ってきたので新しい靴を探して彷徨うもお気に入りは見つからずますます靴底だけを減らす結果に終わる。「ショートバス」の映画の方は上映1時間前で立ち見表示がでていたのであきらめる。
夜、山形の親戚からいただいた桃をひとりで食べる。桃一個をひとりで食べるという行為には何かしらの背徳感がある。

「blue」曽我部恵一
「TWILIGHT OF THE INNOCENTS」ASH:子供ができたらあの10代20代の青くバカバカしく輝いていた頃とはもう本当にお別れである、と思うと、なんか「あの頃」に聴いていたひとたちが今どうなっているかが知りたくなったので聴いてみたら普通にパワフルに頑張っていた。そういや曽我部さんも全然パワフルだし。なんかのコピーのようですが「大人になることと大人しくなることは違」っていいようです。
「反社会学講座」パオロ・マッツャリーノ:吉田戦車が表紙イラストなのでつまらないことは無いだろうと思って買ったらかなり面白かった。子供の凶悪犯罪化、少子化問題、ニート問題等々の問題に対し、問題と言っているその態度を反社会学という社会学で痛烈に批判します。難しそうですが全然難しくないです。オススメ。
「私家版・ユダヤ文化論」内田樹:特別ユダヤ人に興味があるわけでもないのですが、いままでと違う形態の冷蔵庫をどう作って行くかという文脈に置いて、マイノリティと迫害の構図には興味があります。学校や職場のいじめにおけるいじめられる側のタイプに「できるけどいやな(気分にさせる)奴」と「できないいい奴」があるとすれば(ってあまりにおおざっぱな分け方ですが)ユダヤ人は圧倒的に前者だなあ。バカでいい奴だったユダヤ人の歴史は揉み消されているのでしょうか。あ、この本「小林秀雄文学賞」貰っていました。
「ヤン&エヴァ シュヴァンクマイエル展」ラフォーレ原宿:先週東京出張があったのでついでに相馬君と見に行く。あの映画のあの大スターが目の前にいて大興奮。私は多数派のひととは何か違う気がしますが(知ってか知らずか)その気持ちを抑え付けてるような気がします、というひとは見に行くと勇気づけられると思います。なんだかわからなくて全然面白くなかったひとはある意味「健全」ですので心配いりません。9月12日まで。

あと、上のバナーにもある恭子さんの高校の後輩中内渚さんの原画展「スペインへ行きたい!」展もスペイン大使館(!)で9月13日まで。是非どうぞ。
あと、詳細未定ですが恭子さんのお勤めしている喫茶店「イーハ」にて恭子さんとねじまきのすけさんという詩人で写真家の方との二人展が10月に予定されています。我々が大阪にいるのもあとちょっとですので、これを機に関西旅行なんてどうでしょう。宿はうちをお気軽に。
■8月12日(日)
帰国しています。厳密にいうと、一回帰国してからまた中国行って、また帰国しています。来月また行きます。資本と労働の隔離は確実に進行中です。

「東京R不動産」
「ニッポン・サバイバル」姜尚中
「SIGHT 反対しないと、戦争は終わらない」
「The Catcher in The Rye」 J.D.Salinger 村上春樹訳
「東京大学「ノイズ文化論」講義」 宮沢章夫

shiftキーの反応が鈍くなっている。
■7月1日(日)
中国出張中です。体は大丈夫そうです。以下、先週のメモ。
6月25日(月) 移動。飛行機の機材取り寄せで飛行機は2,3時間遅れる。タチバナさん、サトウ君とマリオカート。DSの赤外線通信恐るべし。機内食の麺つゆが飛んでズボンの股間部分へ付着。Mr.ビーンの様だ。蕎麦はものすごくまずい。日本人はよくこんなもの食ってるなと思われている。慣習が見直されることはない。
6月26日(火) 出勤。日本から持ってきた安全靴の底がぼろぼろ。歩く傍から靴底のゴムがぼろぼろ崩れて、ヘンデルとグレーテルの様に歩いた軌跡を残す。新しい靴を支給していただく。
6月27日(水) サエキさんに教わった2つのこと。1.思ったことはやっておいた方がいい。2.型の進捗状況は自分の目で確かめておく。
6月28日(木) 腰にパスポートを巻いている。妊娠している気分の何分の一かは味わえているのだろうか。
6月29日(金) 中国の安全靴は甲高。
6月30日(土) 無印の家の本より。
家を「資産」にしたところから日本人の不幸が始まっている
自分が住んでいてそれを売却できない限り財産にはならない

■5月20日(日)
 仕事仲間ハヤシ君が中心となって結成した無国籍パーカッションバンド「ガゼルと大地」にレコーディング技師として参加。スタジオで練習したり、ハヤシ君宅にて宅録したり。とりあえずの小品「ガゼルと共に去りぬ」(1.2MB)。使用した楽器はボンゴ、ジェンベ、ディジリドゥ(長い笛。練習すれば循環呼吸でずっと音が出せたり、音階が出せたりするらしい)、サンダーチューブ(筒にバネがぶら下がってバネを叩いたり揺らしたりすると雷っぽい音が鳴る。スプリング・ドラムともいうらしい)。クリエイティブな休日。夜はハヤシ君の家でたこ焼き、お好み焼き。ごちそうさまでした。

「オールド・ボーイ」パク・チャヌク:イーハのママ新田さんがこの映画の暴力シーンについて語っていて、勢い話がネタバレ方面に行きそうだったので、慌てて制し、DVDを借りた。ストーリー、役者のうまさももちろん、カット割りや絵の作り方も抜群にかっこいいです。韓国はかっこいいことをするのにテレがないのがいいのかも知れない。
「パッチギ!」:テレビにて。「冬ソナ」といい、なんか韓国づいてるな。「パッチギ」←(血の気多いつながり)→「オールド・ボーイ」←(儒教的道徳心つながり)→「冬ソナ」というキーワードで結ばれています。
「博士の愛した数式」小川洋子:ちょっと素直過ぎました。タイトルをつい、「博士の異常な数式」と言ってしまう。
「9条どうでしょう」内田 樹,平川 克美,小田嶋 隆,町山 智浩:憲法記念日記念に図書館で借りました。憲法というのは国が国の背景を背負ってかかげた理想や目標であり、理想や目標が「現実に即さない」のはそもそも当たり前の話で、「現実に即さないから憲法を変える」というのは理由になりません、という話(というのは要約しすぎですが)。一方で憲法を変えるべきだと思っている人は理屈もへったくれもなく「中国や北朝鮮が攻めて来るのは怖い」と思っているヒトたちの気がして、その不安を取り除いてあげたいけど、不安に理屈もへったくれもないからどうしようもない。「話せば分かる」っていうテーマの物語をもっと普及させるとかか。
「三月の5日間」チェルフィッチュ:DVDが出てたのでAmazonで購入。とりあえずうちに遊びに来た人は「こんな表現がある」ってことで半強制的に見せられます。一家に一枚。
「東京大学「80年代地下文化論」講義」宮沢章夫:うちのハードディスクレコーダが異常に使い辛いのも「オタクの内向性」の発露だと思う。宮沢さんのいう「かっこいい/かっこよくない」は「テレビに出てない/出てる」と近い。先日後輩が「日本でロックなのはB'zだけだ」と言ってひっくり返りそうになった。それは知らなさ過ぎだよ。
「レイトン教授と不思議な町」:昔多胡さんのパズルのひねくれっぷりに頭にきたことがあったので警戒していたのだが、暇つぶしに中古を購入。ゲームとしてのつくりは上質。ボリュームは少なめ(10時間くらいでクリアできる)。たまにひねっくれた問題が出て「そうだよ、多胡。お前はそういう奴だったよ」とつぶやく。

変な文体のゼルダのページコメント欄が更新されていた。コメントも不思議な文体。気持ち悪いパラレルワールド。やっぱり関東がキーワード。ここはしばらく目が離せないな。
■3月31日(土)
朝起きて、「渡辺篤の建物探訪」を見て、ごはんを食べて、「冬のソナタ」の再放送を見て、午後から会社に行くというのが最近の土曜コンボなのだけれど、昨日は朝起きれずで篤を見れずに夕方頃鼻水が出てきたので会社には4時間しかいなかった。「冬のソナタ」は今頃初見。

「異邦人」カミュ:「世の常識」にとらわれずに自らの心のままに行動するという思考が、結局は世の中で有効に機能せず世間から死刑を宣告されても、自分は幸福であると確信できるのならば、それは確かに希望の物語のようにも聞こえるが、やはり(岡本太郎やみうらじゅんのように!)「心のままに社会とコミットする」ことを放棄しては、幸福の確信の強度は大したことないとも思える。それにしても新潮文庫の裏表紙のあらすじは酷い。まだ読んだことがない人は絶対に先に背表紙を読んではいけません。

ところで、ゼルダの攻略サイトでなんとも不思議な文体のページを見つけた。どう不思議かを形容するのは難しいのだけど、例えば「ゼルダ トワイライト 釣り」というエントリーは次のような文章で始まる。
なぜなんでしょう。不思議に思うんですが、ゼルダ トワイライト 釣りをもっと知るたび思います。ゼルダ トワイライト 釣りを詳しく掲載しているのをそう感じただけなのです。ところが何となく関東にはないゼルダ トワイライト 釣りっていうのも明らかによくないといわれています。

こうして言うとゼルダ トワイライト 釣りが現在に至る過程は複雑で、wii ゼルダが想像を絶するくらい激しいようにこの時はなぜか分からず、実は多数記録しているゼルダ トワイライト 釣りを手にとってみれば、まるでプロのように好ましいとは言えないからです。
何を言っているのかさっぱり分からないのだ。ブログやメールの言葉使いの乱れや適当さが指摘されて久しいが、これはもう乱れちゃってるとかそういうレベルではない。このエントリーだけたまたま酔っぱらって書いちゃったのかと大目に見てると、「ゼルダの伝説 完全攻略」というエントリーでは、
ある日のことなんですが、ゼルダの伝説 完全攻略の話というのを聞いたのですが、ゼルダの伝説 完全攻略を詳しく掲載しているのをお互いに気に入ったとすれば、本当なら仮に関東のゼルダの伝説 完全攻略を知る限りにおいては、あわてて行動するのはよくないかもしれません。
と、これを読んで完全攻略を志す人はまずいないだろう、ていうかこの文体を攻略してくれ状態なのである。できそこないの翻訳ソフトのような文体が終始続くものだから、何かこの国に(「異邦人」の主人公のように)自分の知らない文法を使う種族があるような気がしてきて、なんとも空恐ろしくなりつつも、このまるっきりの分からなさについつい引き込まれてしまうのである。やけに関東にこだわるし。たまに「空きビンの入手法」とかがしごくまともに紹介してあるのも笑える。結局全部読んでしまったのだから、このひとはある種の天才かもしれない。
■3月30日(金)
最後のボスの扉の前まで行ってクリ寸(クリア寸止め)状態だったゼルダをやっとクローズさせる。ハートも全部集めたし、虫も全部集めた(最後一匹だけネットで調べた)。ゴーストはあと8匹。試練の洞窟は最後のフロアで力つきた。クリアの余韻に浸るべく任天堂のサイトのインタビューを読んでいたのだけど、「ゼルダらしさとは」という質問にはっきりとひとことで答えられたスタッフは宮本さんだけで、しかもその答えが、「お客さんをバカにしてない」であることに勇気を覚える。誠実さは絶対に勝つ戦略だとイトイ新聞にも書いてあった気がするし、レヴィ=ストロースは「贈与」や「隣人愛」が人間の「余剰」ではなく「根源」だと言っているし、この「誠実さ」がこそがキンダインとドチャックが手を結ぶ鍵になると私は踏んでいるのです。自信を持ってやさしく誠実であっていいのです。
忙しさにかまけて3日ほどメールを見なかったら、迷惑メールが300件近くたまっていた。かたっぱしから消したので、もしかしたら普通の用件メールも消しているかもしれない。うちにメールをくださる方はタイトルにまぎらわしい単語(「人妻」とか「欲求」とか)を使うと消される可能性大です。しかし何故に迷惑メールの大半は性欲対象か。ねじまき鳥クロニクルみたいに実は全部○○が送ってたらびっくりだな。
■3月22日(木)
テレビを見ながら5秒で描く似顔絵シリーズ

荒川静香と浅田真央

イーハの常連客でテレビチャンピオン2連覇の似顔絵師サダさんの勧めもあって、最近似顔絵を描いている。似顔絵は写真を見ながら写実的に描くと大概、似る。ので、似顔絵の極意は何を描かないかにあると思う。あと似顔絵は一晩寝かすと似る。
■3月18日(日)
仕事忙しい。
先々週に恭子さんが修行しているイーハで行われたコンサートでビデオカメラを回して、今やっとそれをハードディスクに落としているのだけれど、なんかがっかりする位フレームが斜めに傾いでいる。背骨が曲がってんだな。仕事していてもすぐに背中が痛くなる。

深夜、会社帰りに粗大ごみ置き場に捨てられていたタンスから、引き出しだけを拾って帰ってくる。ブリコラージュ(これ、きっと何かに使えんじゃねえか?)精神発揮月間。引き出しの底面には子供の落書き。ステンレスの棒を横に渡して、立てて、本棚&CDラックにしよう。

恭子師匠からコーヒーの入れ方を教わり、朝自分で入れたコーヒーをポットにつめて会社に持って行くという新習慣。
ゼルダはもうクリアしちゃいそうで勿体なくてストップ。Wiiをやるにはエネループが必須です。

先々週末、同僚オノぎゅん夫婦とアイチの工場を視察に行く。田舎の山を無造作に切り開いて工業団地があり、そのドン突き。こりゃ車がないと絶対駄目だ。最寄り駅前は閑散とし、公共の交通機関が全然発達してなくて、あらゆるところに車メーカーの黒い意志が渦巻いているように見える。まあこの辺で車に依存する生活を経験するのも一興かとも思うけど、ガソリンに生命線を握られるというのがなんか抵抗がある。あと車は人を殺せる(右翼が車で、左翼が徒歩でデモをするのは、車=個人の出せない力が出る、外敵から身を護る=国家ということだ)。そのあと愛知にいるアベちゃん、ヤマダ君と合流し食事。キンダインとドチャックの闘いについて(いや、それだけじゃないけど)。翌日、噂のモーニングを食べ、またアベちゃんらと合流し、ひつまぶしを食べた。
■2月19日(月)
新聞にも載っていたようなのでご存知の方もおられるかも知れませんが、今勤めている大阪の工場が閉鎖されることになりました。来年の3月までに愛知の工場に職場が移るそうです。まあ、近年の業績が良くないままだったので仕方ない気もするし、世間ではよく聞くような話だし、会社なんて盤石のモノでもないしと、いろいろ覚悟や免疫はできているつもりでしたが、やはりいざ当事者となると堪えるものなのか、土曜日はずっと昼寝していました。まあ、一年あるのでゆっくり考えます。
今日は恭子さんが珍しく風邪を召したので、久しぶりに料理。朝目玉焼き。夜ひっぱりうどん。料理って言わないか。一日で熱を2℃下げる恭子さんの回復力に野生を感じる。

「寝ながら学べる構造主義」内田樹:前回の日記でリンクしたレヴィ=ストロースのブリコラージュ(有限のリソースから無限の可能性を引き出す)の話が気になって、構造主義の手引書として購読。中沢新一とかを読みながらうやむやに読み飛ばしていたことのいくつかが判明してすっきり。構造主義のヒトたちは実存主義にくらべて基本弱者の味方な感じがして安心する。

「大脱走」:みうらじゅん大先生のおすすめ。タワーレコードで1000円。第2次大戦の捕虜収容所からの脱出話なのだがかなり牧歌的でびっくり。こりゃ最後は大団円だろと思いきや、アンハッピーエンドだったのでさらにびっくり。チャールズ・ブロンソンの身のこなしはかなり(ずっと穴を掘っていたという設定のブロンソンが、最後、他の脱出者よりもより慣れた感じですっと穴に入って行くあたり)シャープでかっこいい。あと大脱走のテーマを口ずさもうとすると必ず「コンバットのマーチ」になります。「スターウォーズ」と「スーパーマン」のテーマも歌い分けられません。
■2月7日(水)
相馬君から、先月27日の日記に書いたレイアウトの問題(世に言う「clearing問題」。そうか「世に言う」なのか)の華麗なる解決策をご提案いただく。解決した。フッターもつけた。ありがとう。そして相変わらず丁寧すぎる仕事だよ。これ、スタイルシートがなんのことやらわからないほとんどの読者が読み飛ばすであろう記事を、こんなにきちんと、僕が何にどう困っていたかまで説明を入れて、やりやすいであろうものを選べと数パターンの解決策を考えて、作ってしまうその献身ぶりはどこから来るのか。とりあえずほめるよ。よしよし。20ルピーあげる。カンテラの油でも買って下さい。

仕事の合間にネットで、とあるレヴィ=ストロースについての文章を読み、とても刺激的だった。冷蔵庫の、あるいは持ちたいものの仕様やデザインにミニマルなものを渇望したりすることも、ミエさんが荒川君の結婚式でフラを舞ったとき、その繊細な肉体の使い方に息を呑んだりしたことも、大量生産の稼業から足を洗ってお店を開きたいことも、全て説明されたような気分になった。構造主義が結局何を言っているのかなんて専門家じゃないからちゃんと分かっていないけど(先の文章が正しい解釈をしているのかもよく分からないけど)、なんかしっくりと力になる文章に出会いました。この文章を書いた内田さんという人のブログを最近よく読むのだけれど、いわゆる世を斬る系のブログの中ではかなりきちんと面白い。どの辺がどう面白いかは書かないけれど、世の斬り方に「俺はこの方が面白いし楽しいし幸せ。私の生活が、先ず、ある」という明確なスタンスが保たれているから安心して読めるのです。論理がどんなに正しく(見え)ても、そこに自分の立ち位置や生活が感じられない文章は、やっぱり読んでいて腑に落ちない。2chの「気持ち悪さ」もきっとそこにある。
■2月2日(金)
ああ、にんてんどうのあくまのはこをかってしまったよ。
たまたまの東京出張の後、30分だけ後輩のオモチャ屋オオサキ君に会ったのだけど、さすがオモチャ屋、上野のヨドバシカメラでWiiが売っていることを発見。西の梅田にも、東の秋葉原にも売ってなかったのに、そうか穴場は北の玄関か。ということで、そのまま二人で買いに行きました(オオサキ君は一応「会社用」とのことですが)。スーツ姿でこんなものを衝動買いしちゃったりして、お父さん、お母さん、悪い息子になりました。とりあえず実家に帰るも、Wiiの入った袋を持って電車に乗るのは、バラバラ死体を運ぶような気分だった。


「箱、垂直に刺さる板」
デュシャンの幻の作品。工業製品の箱の側面に小さな板が垂直に刺さっている。大きな箱に対してこの小さな板があるだけで、この箱は大量生産品としての形状を失う(型が抜けなくなる)。資本主義とそれを支えるマスマニュファクチュアリングに対する小さくも強大なるアンチテーゼを唱えた作品。
というのはうそで、ただ単に後輩のフジ君が冷凍庫の箱の不具合改善ネタを作り込んでいる途中の状態なだけなのだけど、なんかうっかり前衛芸術になっていたので写メール。まったく芸術なんてどこに転がっているかわからないのだ。うかうかしてはいけない。
■1月29日(月)
重いからという理由で買わずにいた宮沢さんの「80年代地下文化論」をアマゾンで購入。本とCDが棚からだいぶあぶれてきてるなあ。どっかに本棚落ちてないかな。

「The Departed」:初スコセッシ。ニコルソンの顔力最高。日本でニコルソンに比肩する可能性があるのは竹中直人くらいか。ディグナム役の人も鼻の穴が大っきくてよかったと思います。あと、アイルランド風味を利かせた音楽が抜群にいい。サントラ欲しくなる。
■1月27日(土)
ホームページのレイアウト変更。一部の人にしか何を言っているのか分からないかと思われますが、テーブルレイアウトをやめました。ただ、2人の日記を横に段組みするのにfloatを使うと、右の(恭子さんの)日記に写真を入れたあとにclearすると段組みも終了してしまうという問題(バグ?)が解決できず、position:absoluteを使ったのですが、そうすると2人の日記の長い方の下にフッター的に「上にもどる」を入れられなくなってしまい、結局それが解決できないままのアップ。
あと、「ほんとうにおいしいごはんとおかずのおみせをつくろう。のブログ」へのリンクを外しました。まあ、更新が滞ってしまっているのが理由なのですが、滞っている理由としてはまだお見せできる段階ではなかったということと、ブログというのがどうも2人の体質に合わなかったからだと申し述べておく次第で、決してほんとうにおいしいごはんとおかずのおみせを作ることを放棄したわけではございませんので、応援していただけるかたは長い目で見守っていただきたく存じますし、「あぶない橋わたろうとしやがって」とヒヤヒヤしていた方はまだほっと胸を撫で下ろさないでいただきたく存じます。

昨日は心斎橋のアメリカ村というノイズの吹き溜まりの様なところにあるカフェまで「宮沢章夫と飲む会」というのに行ってきました。ぐだぐだの司会を宮沢さんがいじりながら、「ラジカル」や「トーキョー/不在/ハムレット」のビデオを見つつ、たっぷり3時間くらいのトークを聴けました。その内容の全てというわけではもちろん無いのですが、取っていたメモには、
・愛国ファンタジーに対抗するものがたり
・いとうせいこう ハプニング髪切り コンセプトで笑う
・竹中 身体性 笑いながら怒る人
・サルとしゃべる 実際の対称性
・唐十朗 特権的肉体論
・「こんにちは」の意味性 有:戯曲 役者の身体
・ツインタワー 「ただ立つ」がもろくも崩れた
・生中継 2次的な身体性
・現在的な身体を語ろうとする試み
・ト書き 舞台中央に小さな靖国神社がある
・シニシズムに陥らない ストレートのコース
・愛国 オタク 排外主義
・方法論の中に思想は宿る
・状況から劇を作る
・ロマンチシズム 俗情との結たく
というようなことが書いてあり、きわめて刺激的な時間でした。質問時間に、先週行った直島の地中美術館が、安藤忠雄の建築やジェームス・タレルの作品など非常にカッコいいのに、それを突き詰めすぎて、ノイズを病的に除去しまくって、従業員はパナウェーブみたいな白衣を着込んで、きっとダジャレを言ったら怒られそうな閉塞感に包まれていたのですが、宮沢さんの「トーキョー/不在/ハムレット」のセットもタレルのような指向性のかっこよさを持っている中で、かっこよさとノイズ除去が同じ指向性を持つとしたら、その落とし所についてなにかいいアイディアはありますか。冷蔵庫はどうしたらいいとおもいますか。と聞こうとしたけど、そんなこと恥ずかしくて聞けませんでした。解散後に相馬君からの伝言を伝えて帰る。

心斎橋に行く前に梅田のヨドバシでドライヤーを探したのだけど、冷蔵庫並かそれ以上に壊滅的な状態でびっくりがっかり。これ見よがしの流線型とメッキパーツとクリアパーツとマイナスイオンで見事に胸くそ悪いの右ならえ状態。ドライヤーを買う皆さん、あなたの欲しいドライヤーはこんなもんだろ、と馬鹿にされてますよ。というわけでキラキラメッキ部品は使わずにしかも取っ手がコスト高のくせに目立たないゴム製、箱にモデルの女性の写真など使っていないという質実剛健っぷりを評価して、フカイ工業株式会社製のProwindにしました。残念ながらマイナスイオンはついてます。ホームページは壊滅状況です。「フカイ工業株式会社」でGoogle検索掛けると3ページ目にオフィシャルページが出てくるていたらくぶりです。工場茨木にあんのか。転職しよっかな。がんばれ、フカイ君!

直島のバス停でバス待ちをしているときに、干支の順番を決めるときに牛の頭に乗っていたネズミよろしく膝の上に乗ってきた猫とパチリ。直島はいい島です。ウェブデザイナーになって島で暮らすってのもいいなと思った。
■1月26日(金)
旦那の上から布団を敷く
■1月19日(金)
いつまでも年末の挨拶をしているのもどうかと思うのでいい加減。
あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
年末、正月といろいろお邪魔いたしました。がんちゃんの家でしょうゆパスタをごちそうになりました。しょうゆ味のパスタにウインナーとネギとピーマンとか。うまかったので今年もう2回も食べてます。相馬君の家でWiiをやりました。やっぱり任天堂は天才です。前の工場の同期のまっちゃんが結婚するそうです。おめでとう。こないだ風呂につかりながらスピーチ考えました。いや、頼まれてもいないんだけどさ。明日からオガワさん夫妻と倉敷に行きます。大原美術館とか。オガワさんは日帰り。我々夫婦だけ直島という瀬戸内海の島に一泊し、地中美術館というところに行きます。芸術の冬、日本の冬。それにしても、島に泊まるってのはワクワクするなあ。あと、「瀬戸内海」って言おうとすると、たいがい「地中海」って言っちゃいます。

「沈黙の艦隊」かわぐちかいじ:恭子さんのおじいちゃんの家で15巻くらいまで一気読み。愛国ファンタジーはこんなところで種蒔きされていた。
「20世紀少年」浦沢直樹:恭子さんの実家で18巻まで一気読み。カルトは危険だねっていう漫画を書いてる人が恐ろしい才能でカルト的な漫画を描くというジレンマ。昨日のプロフェッショナル見逃した。
「ぶらんこ乗り」いしいしんじ:ものがたりには人を救う力がある。軍隊を作ったり、強固な仕組みを作ったりして必死になってシステムを守ろうとする人もいる。そんなものが壊れちゃってもなんとかなるさってことを見つけたくて、ものがたり(文学、音楽、芸術とかとか)ってのはあるんじゃないかなって、最近思います。
「MIND GAME」監督 湯浅政明:ここにも天才が。この冬は天才との遭遇が多すぎます。これだけパースを効かせたりデッサン崩したりしながら、ちゃんと重心を感じさせて動きまくる肉体に感動。2回目でやっとお父さんに彼女を取られたのがヤクザだと分かった。また借りなきゃな(もしくは買わなきゃな)。
恭子日記
●11月18日(日)

さんかくの朝日
●10月21日(日)
 夫が苺に「イチコ」という名前をつけた。
●10月19日(金)
 歯の治療がひと段落して、仮の詰め物を詰めてもらった。神経をとったので、噛むと変なかんじ。私はこれから、老いるんだなあ、と思った。
●10月17日(水)
 便座カバーのゴムがゆるんで便器から外れかかっていたので、夫が新しいのと取り替えてくれた。取り替えたカバーに向かって夫が「おまえなんか、おはらい箱だ」と言うのでかわいそうになり、手に取って見ると、ゴムを替えるにはいったん糸をほどかなくてはいけなさそう。
 「外科的手術が必要です」と言うつもりが、難しく、「げかてきしゅじちゅがひちゅようでし」になってしまい、これでは患者さんは不安になるだろうな、と思った。お医者さんって大変だな。
●4月12日(木)
 料理って、食べる相手の力を少しだけ弱めることなんだ、と思う。塩をつけた手で触ったり、蒸したり焼いたり炒めたり。
 食べることは、食べるものと食べられるものの命のぶつかり合いだ。相手の命をいったんばらばらにして、自分の命にくっつける。固かったり、大きすぎたり、毒があったりすると、こちらが体力を失う。疲れて、人間の方が負けてしまう。だから、相手の命が強すぎるときは、食べる前に料理をして、人間の方をちょっとだけ有利にさせる。
 「おいしい」っていうのは、そういうことではないかと思う。いい相手とけんかをして、勝つこと。だから、とても強い人は、肉でも野菜でも生でバリバリ食べたらいいと思う。あと、雑草も食べたらいいと思う。
●2月4日(日)
 馬に乗った。力を抜いたら、馬の体の一部になったみたいに、ゆらゆらした。
●1月31日(水)
 夫と、ハ行慣用句当てゲーム。「ひひょひゃひゃ、ひゃひゃへ」(急がば回れ)とか。けっこうよく当たる。
●1月30日(火)
 厚生労働大臣の柳沢さんという人が「女性は子ども産む機械」と発言した、ということが話題になっている。けれど、ちょっと調べてみたら、少なくとも私にとっては、それほど腹立たしいことではなかった。
 実際には、「機械と言って申し訳ないけど」「機械と言ってごめんなさいね」などの言葉を入れながら、「15〜50歳の女性の数は決まっている。産む機械、装置の数は決まっているから、あとは一人頭で頑張ってもらうしかない」という発言だったそう。
 (asahi.comの28日の記事)

 子どもを産むという行為において、女はハード、男はソフト、というのは、まあ、多少乱暴ではあるけれども、比喩として理解できる。つまり、女の人には物理的な負担があるということを言っているのであって、女性の人格を否定しているわけではない。
 だから何だ、と言われても困るけど。でも、ことばがことばだけになって、悪意をまき散らしているのを見るのは、私は、つまらない。

 もちろん、頑張るかどうかは大臣の決めることじゃないけど。私は、私の体が産むと決めれば、産むだけだ。
●1月26日(金)
 セーターの毛玉は、手でちぎるよりもハサミで切るほうが良い。
 来世は、稲になりたいな。
●1月21日(日)
 デザインを極限まで削ぎ落とすとどうなるか、を体験した。直島の地中美術館へ。
 モネの4枚の絵以外は、のっぺらぼうの建物。コンクリートのグレー、鉄のシルバー、木のベージュ、ガラスのクリアー。壁にはしみひとつない(触ってはいけない)。部屋の角にRをつけると、境目も無い。地中にあるから、かたちもない。

 洗練って、ちょっとならとても心と体を生き生きとさせてくれるけど、それが全てになると、どんよりしてくるな。説明の人が、みんな若くて、白衣を着ていた。

 ものごとに、洗練と野暮があるとしたら、これを作った人には全部分かってるんだろうな。どっちがどっちなのか。オセロをぜんぶ白にした感じ。なんのために?何かの悪意だろうか。それとも、みんなが求める「洗練」っていうのは、じつはこんなものなのだ、ということを見せるため?そうだったら、すごいな。まあでも、たぶん、「モネの絵を静かに鑑賞する」っていうコンセプトをどんどん進めて行ってこうなったんだろうな、と思った。

 私は、生きている間にこんな極端を体験できて、よかった。
 岡本太郎さんの「今日の芸術」を読んでいる。とても面白い。